Chieizan-Hourinji
修行と写経のご案内
仏教では、あなたも仏になるための種(たね)を体内に備えているといわれます。
その種を磨き育てることが修行であり、種が育ち華が咲くことを「仏の悟りを得た」といわれ成仏とも書きます。
「仏の悟り」を得るための道すじは一つだけではありません。多くの方法があり、平らかな道もあれば、険しい道もあります。
仏の悟りを得ることが目標ですが、仏の境地だけが安住の地ではありません。それへ向かう道中にも心の安寧を感じる時があります。
ご修行と写経のすすめ
大荒行
日蓮宗には100日間の大荒行という、とても厳しい修行があります。
この修行は選ばれた僧侶だけができる修行です。
残念ながら一般の方が、体験することはできません。それは師僧の教えに従い、正しい指導のもとで準備をおこなわないと、生命の危険にさらされる可能性があるからです。
成満(修行明け)を迎えたのちに、修行僧さんが自分のお寺に帰って、報告の法要が行われます。この時に、水行など荒行のいったんを垣間見ることができます。
それに参列するだけでも心が凛とし、清浄(しょうじょう)な気持ちになります。
寒風のなか滝に打たれたり、山野を走るだけが修行ではありません。
毎日の生活の中で、簡単にできる修行もあり、少し努力が必要なものまで修行にも種々あります。ご自身に合った、出来る範囲のところから始められてもよいでしょう。
ご修行
法華経のなかに法師(ほうし・ほっし)という人物が登場します。法師には2つの解釈があり、一つは「法を教え説く師」のことです。
法師と聞いて連想される人は、孫悟空と一緒に天竺(てんじく・インド)まで経典を取りに行った三蔵法師が有名でしょう。
三蔵とは、「教え、戒律、教えの説明書」である経・律・論のことをいいます。この三蔵に精通している高僧を法師といいます。
二つには「法を師と仰ぐ者」です。前者はお釈迦様の教えを説き伝える伝導師でしがた、後者は、お釈迦様の教えを受けたもち実践する者のことをいます。
この後者の、法師(ほっし)には実践すべき徳目(修行)として「受持(じゅじ)、読(どく)、誦(じゅ)、解説(げせつ)、書写(しょしゃ)」の五つがあります。これを「五種法師」といいます。
この修行は、写経のように少し時間があるときにできるものから、知識がないと難しい解説などがあります。
写経
印刷技術の発達していない昔は、写経を行うことが大変な功徳となり、また僧侶の実践すべき修行でもありまし。
経典を印刷し多くの人が手にすることが出来るようになった現在でも、手書きの写経がなくならないのには理由があります。
写経の一字一字は、仏様でありその仏様に向き合うことにより心身が清浄になります。
誤字脱字を注意しながら経典を写すことは忍耐力や集中力が向上します。
お経をよく見て、間違えないように一心不乱に書き移す修行は、脳の活性化につながります。
書き上げた用紙には、神仏に祈願(願いごと)を記入することがができます。
綺麗な文字で書かれている経典を書き写すことは、臨書となり文字の上達にもつながります。
このように、写経には多くのメリットがあることにより、いまでも多くの人がなさっております。